春という季節


この週末は、ずっとすぐれない天気で基本的に雨。小雨、大雨、あらし。。春はこういう日が多いのかもしれないけど、ふと、私の気持ちも反映しているのかもと思ってしまうのは、まだ快復してないのだろう。


それに、春になっていろいろな生物も元気になってきた。日本から帰ってきたら、まずは、アリが台所で行列していて、慌ててアリの殺虫剤を置いたら、それはさっと消えたのだが、今は玄関の外に、毛虫がいっぱいで、閉口している。うちにある二本の木に、巣らしきものが、幾つもついている。ピアノの生徒たちは、わあ、カワイイ、って言うし、毛虫ぐらい、何も悪いことするわけないから、ほっとけばいいよ、と言う友人もいるけど、そうは言っても、どうも、私はああいう長いタイプの虫は好かないし、うーん、苦しいところ。本当に一日も早く、チョウかガにでもなって、飛んでいってちょうだいという気持ちである。

さて、花は、今はハナミズキの季節。花が大好きだった母のことを思い出し、日本から帰ってからは、どの花を見ても、花はきれいだなと横目で見ながらも、今までのような興奮がないと自分で気がつく。新緑のきれいな景色も、きれいだと感じながら、今まで程、うれしくない。一応は、写真を撮ってみたけど、花や自然がきれいであればあるほど、なんか悲しくなるような気持ちがわいてきてしまう。いつか、きれいなものを心から楽しい思いで幸せに見つめられるような時が来るのだろうか。

昨晩は、下の子がオケで伴奏した「ミカド」というオペラを見にリッチモンドに行ってきた。日本が舞台となっているコメディータッチのオペラ(ミュージカル)で、みんなぴかぴかの着物を着ていて、音楽もときどき、日本語で歌が入ったりしていたが、学生のオペラなのに、素晴らしいできばえで、びっくりした。下の子は、着物の着こなしがなんか笑えると言っていたが、歌の子達はうまいし、演技もうまいし、舞台のサクラが母を思い出し、なつかしくなったと言っていたので、私も是非見たいと思ったのだった。今は、少しでも、母に関することに、敏感になっている自分所以である。

また、今夜は、学生が、母の事で、慰めのお見舞いにと立ち寄ってくれた。いろいろな人から花やカードをいただき、感謝感激である。今夜の生徒の父兄が、うちの玄関にある、いろいろないただいた花の陳列を見て、日本にも同じ習慣があるのかと聞いたけど、そういえば、日本でありそうだけどちょっと意味合いが違うのかもしれないと思った。日本ではお金や品物を、故人へのお供えという形で、持って行くけど、こちらでは、残された家族への慰めに花やカードを送ると思うから。