超多忙

の一日が終わった。
一日中、音楽のフェステイバル、六時過ぎまで。終わった時には、くたくた、今夜は、たまたまコンサートで、また出かけねばならない。もう、クタクタだったので、スキップしようかと、一瞬思ったけれど、息子の友人たちもうちに来ているし、家にいても、静かにというわけではないので、出かけた方が賢明かもと、気を取り直して、再び外出。結果、行ってよかった。
本当に素晴らしかった。友人が会場の特別会員なので、シャンペンをいただいたりして、ほろ酔い気分だったが、演奏も本当に素晴らしかった。Lang Lang のコンサート。
実は、前から彼の演奏スタイルを知っていたから、上手なことはわかっているけれど、ちょっと動きが行き過ぎのところがあって、聴きたいけど、見たくないって、感じていた時があったのだけど、実際の演奏では、全然動きが嫌じゃなかったのは、自分でも不思議。必然性と表現する音がとても自然だったこと、そして、その音楽生の素晴らしさで、その動きも全然気にならなかったのだ。彼の音楽性がとても自然に出ていて、しかも、メローな表現の時にも、クリアな音色もあってすっかり引き込まれた。感動させるのも、動きも上手い表現力もあり、さすがだと思った。ショパンのバラードの4番の最後のコーダへの表現は今まで聞いたことがないと思えるほどの意表を突くような流れで、本当に感動的だった。それは、観衆も同じ気持ちだったと思う。すごい反響だった。
前半のモーツアルトも素晴らしかったが、観衆の拍手が楽章の途中で入り、この街の音楽レベルが見えてしまってちょっとがっかりした。結構、偉ぶっている人たちも、こんなモーツアルトソナタ形式を知らないなんて、ちょっとまずいんじゃないかしら。しかも、その拍手は、かなり長く続いたので、演奏家が気持ちを戻すのに、時間をかけていたのがわかったから、ああいうのは、たとえ、あれほどのレベルの演奏家でも嫌なんじゃないかなと思った。もちろん、そんなこと物ともせず、素晴らしい二楽章になったのだけれど。
とにかく、久々に、本物のレベルの演奏が聴けて、一日の疲れも吹っ飛んだかのように違う世界に浸ることができた。

追記
彼のヘアスタイルは、今日はとってもおしゃれだった。ヘアスタイルで、これほどイメージが変わるのかと言っていいほど、今までの野暮ったさから、粋な雰囲気と洒落っ気を出していて、今日は、絶対、さらにいい印象を出していたと思う。

もう一言、追記。ランランは、演奏が終わった時、拍手喝采の合間に、ピアノを軽く叩いて、これなんだよ、素晴らしい音を出してくれるのは!!と言いたげな表現をした。言葉で言わなくてもそれがわかり、観衆は湧いていた。ピアニストにとって、自分が出したい音、表現をしてくれるピアノは本当に嬉しいものだから、そんな表現を込めていたように思った。