東京にて

久しぶりの東京は、相変わらず人が多かった。近年、人混みに慣れてないせいか、なんだか目が回る気がした。活気があるとは思うけど、しかも自分自身、都会っ子のはずなのに、慣れというのは恐ろしい。そして、一回、たまたまラッシュアワーに電車に乗ることになってしまい、一体何事が起こったのかとちょっと怖かった。いきなり、電車から人々が走り始め、一斉にどーっと改札口を走って通り抜け、何処かへ行く。階段も駆け上り、その先が何かと思ったら、他の電車に飛び乗る。その走り方は、まるで災害があったかのよう。私はゆっくり歩いてのんびり乗ったら、押されてカバンがあちこちに浮いてしまって人とぶつかって、、、ああ、こんな風だったかなと少し怖かった。とにかく、東京でこれが一番大きな印象だった。私は遊んでいるようなものだから、乗り遅れたっていいやってな感じにのんびりしていたけれど、みんな毎日こうやって少しでも早い電車に乗って少しでも早く自宅に帰りたいのだと思う。私もここに住んでいたら、真っ先に走るタイプの気がするけれど、今の私は少しのんびりするようになった気がする。普段、車で焦りながら運転することはあるけれど、事故になってはいけないから、遅れそうな時も仕方ないな、マイペースで、と心に言い聞かせたりするから、少しは、この年齢になると落ち着いたということかもしれない。のんびりムードのアメリカの生活がそうさせてくれたのかもしれないけれど。
久しぶりに息子とあちこち遊びに行ったり、友人達と会ったり、本当によく歩いたけれど、楽しかった。梅雨の合間の快晴のいい天気の中、皇居前を散策。偶然、大使の新任式の馬車に出くわした。しかも二回も。滅多にないことなのに、偶然出くわすのは、本当に珍しいこと。なんだかとてもいいものを見た気がして嬉しかった。それに、この都会の風景にこういう西洋風の伝統的馬車のコンビネーションが皇宮ならではの感じがして、とても面白いと思った。
また、夜には、友人と夜景の見えるバーでカクテルでのんびり。東京の夜景もきれいだった。ニューヨークは、宇宙のような感じだけれど、東京は宇宙のような世界ではなく、ちゃんと人間が住んでいて、遠近感がある、これも素敵だなと思った。