カクテル

最近手作りのカクテルに凝っていて、今日は、わざわざ作って乾杯用に友人に持って行った。とても喜んでもらえて、嬉しかった。
ところで、その辺に以前あって、よく行った店がいろいろ閉まっていて、なんだか寂しい気がした。時は確実に流れていく。
それに因んで、ラジオでの対談番組をたまたま聞いていて、この人のお父さんのバイオリニストは35年前にStradivariusのバイオリンを盗まれて、その後、見つからず、他のバイオリンを手に入れて、演奏活動を続け、亡くなったのだが、その時盗んだ人も最近亡くなり、残された元奥さんが整理しようとバイオリンを鑑定士に持って行ったところ、それが35年前に盗まれたものだとわかり、元のバイオリニストの家族に戻されたという話。
なんだか、感動して聞き入ってしまった。盗まれたバイオリニストの娘は、今、お父さんが帰ってきたようだと感じ、是非ともお父さんのような素晴らしいコンサートバイオリニストに弾いてもらいたいと望んでいる。
まるでバイオリンに命があるかのように、ちゃんと持ち主に戻ってきたのだ。35年後に。
素晴らしい話だと思った。
時が流れても、時代は変わり、人もいなくなっても、店がなくなっても、変わらない何かがどこかで繋がっている。そういうものって、なんでもないことかもしれないけど、大事な気がする。バイオリンの素晴らしい音色があるならば、その音色が絶えなく続いて欲しい。