映画鑑賞

息子が自分の論文に使うとかで購入したDVDを見た。多重人格をテーマにした映画「The Three Faces of Eve.」である。1957年の古い映画で事実に基づいているということ。その頃、多重人格症状はそんなに知られていない病気であったが、主人公は、苦しみながら、結局、三つの人格の中から、一番成熟した人格のジェーンが勝って、人格統合してハッピーエンドとなる。映画としては、面白かった。しかし、実際は、完治したわけではなく、人格の統合後、再分裂が起こったということで、その後、その主人公であった実際の本人が書いた自伝「I'm Eve.」という本が出ているとのこと。さっそく読んでみたいと思った。

この映画では、幼い時の経験を、あまり細かいところまで述べられてないけど、幼い時の経験というのは、その人の人格を作るのに、大きな役割を果たすということのいい例だと思う。日本語の「三つ子の魂百まで」、また、以前学校で習った「原風景(げんふうけい)」という言葉をふと思い出した。

主人公は主治医の催眠療法の治療の中で、その段階に戻って記憶を取り戻すことで、解決へと導かれているのだが、次の自伝では、完治は、それ程容易いものではないと教えられる。そりゃ、そうだ。人間の体験の一コマで、心の中に思う思い、感情、意見、感覚などは、一瞬のうちに数えられない複数のものが同時に存在しているものだと思うから、一つの出来事に一つの思いではないはずだから、大きな問題が見えてきても、見えない問題が、または意識されてない問題がまだ存在しているだろうことは、ずぶの素人でもたやすく想像できる。誰だって、自分を守ろうとする意識は、意識的であれ、無意識であれ、存在するものだから。


ところで、写真は、日本にいるもう一人の息子からCDと一緒に送られてきた農家の模型。さっそく組み立てて飾った。それにしても、このユニークなプレゼントを私が喜ぶだろうと考える息子がよく私のことが分かっているようでなんだかうれしかった。