「スコットランド幻想曲」の思い出

久しぶりにRと合わせた。10数年ぶりにブルッフの「スコットランド幻想曲」の伴奏を弾いた。長男が子供の時、バイオリン発表会で弾いたので、私にとって思い出深い曲で、また演奏できて本当に嬉しかった。
日本で、子供たちのバイオリンの先生が信じられなく厳しかったので、子供たち本人というより、私が胃が痛くなりながら、レッスンを聴いていたものだった。先生も私がピアノをやるし、音楽をやることを知っていたから、間接的に、練習が足りないからしっかり家でやらせて、と言われているようで、本当にきつかった。新曲でも一週間で暗譜するくらいに練習してないと、レッスンすら見てくれなかったので、必死だったけど、私はその先生の気持ちは分かるものの、先生自身は子供がいなかったから、あれだけ徹底できたんだろうなと思う。
親業は大変なのでいろいろな状況が分かるからそこまで徹底できないし、場合によって考慮する柔軟性が必要だと、教えていてよく思う。特に、広く音楽を馴染んで楽しんでもらいたいと思ったら、専門の音楽家を育てるだけの指導法だけでは駄目だと思う。
先日、ある中国人の父兄が、子供があまり練習しないし、才能がないと思うから、やっても無駄だと言ったけど、つまり中途半端にやるなら、やらない方がいいと考える人たちもいるけど、価値観なんだと思う。私は、音楽は情操や感性を育てるものだし、それは人間にとって大切なものだと思う。どんなにお金をかけても、お金で戻ってくるものではないのは承知の事。完璧で何も無駄のない生活ほど味気ないものはない。無駄があって、人間らしく生きられると思うんだけど。。とにかくこれが私の価値観なのだ。