今週末、

次男のコンサートがあり、実は、私はこのコンサートに行くために、この時期に日本に来たのだが、やっぱり、気にかかる。今までとは違い、一人でもつコンサートは、やはりプレッシャーだ。本人も相当だと思うが、なかなか人が集まらないようだけど、はじめは仕方ないことだと思う。本人がいろいろ気にしていても、私は、演奏家としては、演奏に集中するべきだと考えているので、一人でも聴いてくれる人がいれば、その人のために演奏するのが大切なんだとずっと話してきた。
とは、言いながら、実際、日本では、親が頭を下げてチケットを配りまくるのが通常だと言う。日頃海外にいるので、今回私は何もしていなくて、本人任せ。しかも、それなのに、とにかく演奏に集中しろなどと言っている始末の親なので、心のどこかで、ちょっと後ろめたさというか、こんなんでいいのか、とか、自分に少し疑問というか、不安というものを抱いていたのだと思う。だから、演奏に集中しろ、という言葉も、そりゃ、誰も客が来なかったら、成功とはいえないということぐらい分かっているし、いったいこれでいいのか、という不安もよぎっていたのも、正直なところ。
ところが、昨日、その息子が自分の先生と電話で話をしたところ、不安を感じる息子に対し、客が一人でも、400人でも、演奏する側は一緒なんだよ、とさらっと言われたらしい。それを聞いて、それは名言だと思った。私もまったく同じく考えているのだけれど、いろいろ付随の事を考えてくよくよしてしまうのが人間。でも、それを聞いて、やっぱり、それなんだよ、まずは自分自身に真剣に向かうこと、これが大切なんだと。