ついてない。。。

今日はあまりいい一日とは言えなかった。心配していたことが現実となった。と書くとちょっと大げさではあるけれど、今年のコーラスの伴奏者のことなのだ。
今年は、去年から当てにしていたピアノの子が日本の会社に就職してしまって急にいなくなり、次に以前の生徒だった人も当日都合が悪く、その後、数人の学生を廻って、或るこの学生に出会った。私のダンスのインストラクターの弟。
彼は高校生の時、ピアノコンクールで勝ち抜いてきて賞をいくつももらっていた子だったので、もちろん弾けると思っていたのだが、初見があまりに悪すぎ。そんなことを友人に文句言ってたら、自分と比べてはいけない、私の初見演奏能力が特殊なんだよと説得され、じゃあ、もうちょっと時間をあげようかと二週間あげた。
今日はその二週間後だった。念のため、一昨日、メールで調子はどうかと聞いておいたけど、大丈夫だけど、あと少し私に見てもらいたいというから、予定通り、今日会ったのだ。しかし、とても伴奏できる状態じゃなくて、私がその伴奏で歌うことすらできなかったのだ。
二週間でこれじゃ、使いものにならない!と叫びたいところ、ぐっと抑えて、コーラスの指導の最中にピアノの指導に時間をかけるわけにはいかないから今会っている、伴奏は弾けるだけじゃ駄目で、指揮に合わせ、歌に合わせる余裕がなくちゃいけないからね、云々。。とは言え、何事も経験、君は若いし、練習すれば、リストやショパンをバンバン弾ける能力はある、それと、チャレンジするやる気と。。。こういう機会は学べる機会でもあるのだから、たとえ一曲だけでも、経験したいかもしれないから、5曲のうち1曲だけに集中したらどうかな。。更に、本当は全5曲を一人の伴奏者がするはずなんだから、私はかなり我慢強いわよ、と言ったら、苦笑いしてうなづいていたけれど。。。
それでも、どうしてもやりたくて、明後日までに全曲やれるやれると言うのだが(これって謙虚な人が多い日本では考えられない)、私はとてもできそうにないのが分かっている。分かっていてやらせたら、恥をかくのは彼自身。私は明後日のリハーサルで恥をかかせたくないから、一曲に集中してと言っているのだよ、誰でも初めての時はあるし、私は若い人を育てたいと言う気持ちがあるから、これが大変でもきっといい経験となると信じて、たとえ一曲でもやりたいというなら、私はやらせてあげるよ、とはっきり言った。
もし、ここですべてやめさせたら、彼は敗北感しか残らないと思う。かといって、全曲をやらせたら、とてもやりきれなくて、これも敗北感につながってしまう。でも、一曲だけに集中したら、きっと何かを学んでくれるだろうと信じている。

その一方、実はこのために、私は、かなり指揮者として苦しい立場になってしまったのだが。つまり、かなり時間と労力を無駄にしてしまった。この場に及んで振り出しに戻ってしまったのだ。あと、二回しかリハーサルがないと言うのに。。。
一人のピアノの友人に電話して、当日はなんとか出てもらえそうだけど、まず、彼女は明後日の練習は無理だし、そのあと一回のリハーサルでなんとかやるしかないのか。結局こうやってプロを頼むのであったら、初めからそうすればよかったのに、何とか、学生でやってくれる人はいないかと思っていたから、こんな回り道をしてしまったのだ。。。