天使のチャーム

去年、気に入っていた天使の飾りが誰かに取られたので、なんとかまた見つけたくて、以前、買った店を探しに行って来た。ずいぶん前だったし、店の名前も忘れていたし、店の場所の記憶もおぼろげだったけど、駄目もとで何とかと思ったのだ。運よく店を見つけることができ、中に入ってみたら、前に買った時には一個しかなかったのに、いろいろな色が売っていて誕生月の色がそれぞれあったので、自分の誕生月のも買ってきた。
どの色もとてもきれいだけれど、自分の車用には誕生月に関係なく、当初の色のグリーンを。言われも何も関係なく、自分の感覚に訴える色だから、これが一番。嬉しかった。
店の人に、実は、ここ(メリーランド)まで探しに来たのは、前に持っていたエンジェルが、誰かに取られてしまったからだと話したら、店の人は同情してくれたけど、更に、
でも、もっとひどい話もあるのよ、プレゼントでもらったのに、天使なんて、何に使うか分からないから、って、返品に来た人もいるのよ、だって。
へえ、信じられない。こんなきれいな天使なのに、要らなくて返してしまうなんて、きっとその人には、幸運は来ないわねって話したら、彼女もうなづいていた。
確かに人によって価値観は違うから、仕方ないのだけれど、私はきれいなものが好きだから、一見役に立たないものでも、嬉しいし、もらったものをわざわざ返品してお金をもらうなんて、絶対に考えないだろうと思う。それに、そのくれた人の気持ちを真摯に受け取っていたら、そんなこと考えないと思う。心が通い合えないのは、とてもさびしいことだ。でも、私は自分のものを誰かに取られたけど、取った人はそれがきれいだと思った故なので、その点においては、私とその取った人とは価値観が同じだったんだという、なんか皮肉なものを感じる。