優勝者披露リサイタル

心配した優勝者の披露リサイタルは無事終わった。うちの生徒は一位に優勝したはいいけれど、それからの二週間、あまり練習してなかったので、私のほうが結構イラついていた。昨晩も夜9時にレッスンに来て、しかも熱を出していて、それはかわいそうなんだけど、再三のレッスンの変更もろもろに、練習不足。私は、普段はやさしい方だと思うけど、コンクールだったので、かなり厳しく細かく絶えず発破をかけていた。コンクールまでは結構真剣にやってたのに。。。。
だから、舞台でちゃんと弾くのは弾く者の責任なんだから、勝っても、後のコンサートで練習不足で失敗したら、それで終わり。もう取り返しはできないし、優勝したことが疑われるよ、などなど、かなり、いやな言葉などを投げかけていた。だって、ショパンエチュードだったんだけど、超速いテンポで少しの休みもなく一気に弾くというタイプの曲だったので、そういう曲って、そのレベルで保つのは至難の業だと私自身重々分かっているので、今、うまく弾けたとしても、絶対に甘く見ちゃいけないのだ。ちょっとでも躓いたらお仕舞いなんだから。
が、今日は、本当によく弾いてくれて、改めて、この生徒の底力はすごいと思った。何を言っても、彼は私を信じて頑張ってくれた。100パーセント先生のお陰だと感謝してくれて、そういう意味で私のメッセージを分かってくれて、真摯に受け止めてくれていたようだった。しかも、全体としては、コンクールのときより、更に一層いい演奏だったと思う。昨晩の直前のレッスンでエンデイングのペダリングの一部を変更したのだけど、それを信じて従ってくれたから、それがすごく効果的で、うまくいった。終わってから、その生徒もペダリングを変えてやっぱり良かったと言ってくれた。
二年前にお姉さんも優勝し、姉弟で私のところで優勝してくれた。その家族は運勢とか相性とか占いのようなものにこっているようで、私につくと勝てると真剣に思っているようでなんだか可笑しかった。でも、絶対、この家族は運の強い家族なんだと思う。そして、本番に強い、プレッシャーに強い。。。羨ましい。