東京にて

1日目は、郊外の友人に会ったので、何も違和感なく、過ごしたのだが、二日目、都会で過ごしたので、たまたま面白い観察ができた。
時は流れ、云々、というけれど、今の銀座は以前知っていた銀座とは、ずいぶん変化があると思った。もちろん変わってないところもあるのかもしれないけれど、まずは、中国人の買い物客の多いこと、観光バスが数台停まっていると思ってたら、スーツケースをガラガラと軽そうに引きずってその辺にいるのは、中国人ばかり。靴屋さんでは、高級な靴が並んでいて、私には買えないって思いながら見ていたのだけど、店員は、私に中国語で話しかけてきた。私を中国人だと思ったのだ。それほどまでに中国客が大勢いて、店員は中国語もペラペラなのだ。
靴屋の後、昔からある和菓子の老舗に行ったら、ここでも、私の服装から判断されたのか、雰囲気が日本人に見えなかったのか、やはり、中国人だと間違われ、喫茶室に入ろうとした私は、ちょっと差し止められた。店員は何か言ったのだけど、なんだか日本語だと思ったのに、何言われたのかわからなくて、ぼんやりしてたら、彼らの反応はちょっと不自然で失礼だったのだ。その後、私が日本人だとわかり、ホッとしたのか、その後の取り扱いはよかったのだけど。すぐそばにいたいかにも日本人の高齢者の人たちには、全然違う態度だったのに。すごく嫌な感じがした。更に、店に入ってちょっとがっかりしたのは、いわゆる綺麗にしているけれど、オールドファッションの日本人の女性年配客ばかり。ああ、まだ日本では、年配になると、こんな古臭いファッションじゃないと、いわゆる日本人として受け入れらないのかなと感じた。いくら老舗でも、そういう態度じゃ、将来が見えてると思った。そこの和デザートは最高なのに。
その後、その辺りで、晩ご飯食べに行った。表と裏という街の考えでいうと、裏道にあるような所なのだが、すごく美味しいタパススタイルのワインバー的レストランがあって、値段も高いけど、味は本当にすごかった。知る人ぞ知るである。小さい所だから、ほとんど予約でいっぱいなのだけど、キャンセルが出て、運良く入れたのだ。殻付きのウニを食べたのは生まれて初めて。
そして、その後、今度はゆっくりカクテル欲しいなってことになり、行ったのは、新宿のホテルのスカイラウンジ。素晴らしい眺めと雰囲気。そこは、また、ほとんど日本人がいなくて、なんと日本人はほとんど私だけ。今度は中国人ではなくて、英語圏の人たちばかり、ジャズ演奏するバンドも英語圏。曲紹介なども英語で全てが行われていた。ウエイターは日本人だけれど。
この経験の数時間の間、一瞬、ここは日本ではなくて、ニューヨークにいるような錯覚があった。買い出し外国人から日本人客がいない高級バーのこの極端なカルチャー。
いろいろなカルチャーが雑居する東京の都会は、日本の東京というより、世界の東京になっているのだということを自分の目で垣間見たような気がした。