Just rightという言葉

月曜日はパールマンの70歳の誕生日だったので、ラジオで特集をやっていた。素晴らしいバイオリニストであり音楽家である彼の言葉は重みがあると思った。
本当においしい食べ物を食べて、これは、塩気が何パーセントで云々という表現で食べ物を評価しないのと同じように、音楽も、素晴らしいという時、どう素晴らしいのか、just rightだからなのだ、と語っていた。
だから、私も、学生時代、音楽の時間の感想文って嫌いだった。言葉で細かく分析し始めた途端に、言葉だけが一人歩き、実際に感じたものからどんどん遠くなっていく。言葉じゃない、心でわかるもの、完璧な感動はjust rightなのだから。おそらく、よくない音楽はいっぱい言葉が連ねられるのだと思う。言葉にならない、just rightの音楽を演奏できるのは素晴らしい。
そのときに流れたクライスラーの「プレリュードとアレグロ」は、心に響く音の表現で、これなんだと思った。彼自身もそう感じて弾いているに違いないと感じることができた。