偶然と必然

この言葉の意味を考えるとき、運命論者には決してなりたくないけど、単純に不思議だなって思うことは確かにある。
今日も、なんでもない出来事だけど、あまりにもタイミングが合っていて、不思議だと思った。
最近では、毎回、隣の人が親切にうちのゴミ箱の出し入れをしてくれているので、この頃ではすっかり慣れてしまって、そのことで、外にも出なくなってしまったのだが、何を思ってか(自分でも思い出せない)ふと、回収車がまだ来てないなら来る前にごみをもっと入れておこうと考えて、(実は、そんなことも、この何ヶ月もしたことないのに、外に歩いて出てゴミ箱の前に行ったら、たまたま通りかかった車が止ったので、ふと、振り向くと、以前、私のうちで仕事をしてもらった近所のハンデイーマンの人で、話しかけてきたのだ。
最近うちの教会のオルガニストになったそうですね、ようこそ!大歓迎だって言ってきたのだ。彼はもう30年ぐらいずっとその教会員だって言うので、わあ、すごいですね、ありがとう、でも、それぞれの教会で傾向はいろいろ違うから、何か演奏で気になることがあったら、教えてくださいねって言ったら、そんなの何もないと思うよ、全然問題ない、弾いてくれて本当にありがたいって快い挨拶をしてくれたのだ。
この人は内気で、口も重い人なので、普段とてもそういう会話を始めるようなタイプじゃないのに、しかも私は一年に一回か二回ぐらいしかごみのために外に出ることはないのに、たまたま家の前の道路にほんのわずか数分立っていただけだったのだ。そんな短い数分の間にこの人が話しかけて歓迎の言葉をかけてくれるなんて。この人にも一年以上ばったりとも会っていなかったのだし。この偶然さは、やっぱり不思議で面白かった。
彼は、最近教会に行ってないから、今度行くよって言ってくれたけど、きっとしばらく会わないんじゃないかなってふと勝手に思った。人の縁、物事との縁、それもこれも、こういう小さな偶然のような必然の積み重ねなんだと思う。