新学期の準備

日本語クラブの部長をしてくれている学生が新学期の予定の打ち合わせに来た。彼は、忙しい中、快くいろいろ世話をしてくれるので有難い。

彼は、最近、人生でやりたいことが決まっとということで、意気揚々としていた。大学病院で看護士の実習、学校では、問題児たちの先生の助手をし、また、他の病院では、CNA(Certified Nursing Assistant、認定看護助手)をしながら、PVCCで認定看護士になるクラスを取っている。ずっと、自分の職業を何にしようかといろいろ迷っていたが、結局看護士になる決心をしたら、気持ちが楽になったと言っていた。お母さんは看護婦だから、お母さんもとても喜んでいるそうだ。

彼のいろいろな話を聞いていて、面白いなと思った。たとえば、家庭の問題などがある問題児たちの先生の面接試験で、どうしてこういう子供たちに対処できると思うか、とか、自分の子供の時はどうだったのか、とか聞かれたとき、自分自身、子供のとき、いろいろ問題を起こした問題児だったことを、具体的に話したそうだが、面接官はそれが気に入ったということだった。彼自身も、自分が悪かったことを話してかえって気に入られるとは予想しなかったので驚いたけど、うれしかったと言っていた。

でも、私は、その面接官の考え方が見えるように感じた。問題のある子達の心理を、何も問題がなく優等生でしかなかった子供時代を過ごした若者に簡単に理解できるかどうか。おそらく、偏見を持った目で見たり、違和感を感じたり、たとえ、勉強の上で分っていても、机上の論理的な傾向があって、実際のその子たちが見えにくいかもしれない。

でも、問題をかかえて大変だった子供時代を過ごした彼ならば、そういう子達の心理や状況がより理解でき、子供たち側からも、信頼を得ることになるかもしれない。そして、彼自身、今は立派な青年となり、そういう子供たちを助けたいと望んでいるのだから、心配ないと考える。もし、そういう問題児の時代から変わらず、今も問題のある若者であるならば、そういう仕事に興味を示さない可能性も高いし。。。など、話したら、彼はうなづいていた。そして、実際、子供たちとうまく関わっている様子だった。