「平城山」

最近、頑張ってヨガのクラスに頻繁に行っているんだけど、実は、少しでも腹筋を高めて、発声が楽にできるようにとの心積もりもあってのことだった。二週間後に、あるオペラのグループで、日本の歌をソロで何曲か歌うことになっていて、最近、真剣に歌ってなかったので、本当にちょっと心配だったのだ。今、頑張っても、ちょっとつけ刃なので、腹筋や背筋がうまくついて、発声にうまく効果が出るかどうかはちょっと分からないんだけど、気分がすっきりして、中級のクラスでも全然大変でないと確かに感じられるのはうれしい。昨年一年間のトレーナーとのトレーニングの成果なのかなと。自分ではあまり気づいてなかったけど、筋力が少しでもつけば、身体は軽く感じられるし、これは、なんとか頑張って続けたいと思う。

ところで、歌の曲目は、平城山、待ちぼうけ、そして、初恋、の三曲に決めた。昨晩、そのための歌の英文翻訳を作っていて、日本語の歌詞をよく調べていたら、本当に興味深いことがいろいろ分かって面白かった。特に、「平城山」は、母の好きな曲だったので、意識して曲目に入れたのだが、何回も歌ったことがあるのに、背景や内容を本当には知らなかった。日本のよく知られた曲は自分の国の曲でも、あまり深く調べて歌ってない自分にあきれて、我ながら、苦笑。 この作詞をした歌人の北見志保子は、かなり波乱に富んだ人生を送り、情熱的な恋をした女性であったことが、この歌詞の表面には出てこないところで分かって、思わぬ惹きつけられてしまった。

人恋うは哀しきものと平城山にもとおり来つつ堪えがたかりき
古もつま(夫)に恋つつ越えしとう平城山の路に涙落としぬ

<歌の意味:人を恋することは哀しいことだ。平城山を彷徨ってきたけれど、やっぱり堪えがたい。昔にも夫を恋しくて平城山を越えてきた女性(人徳天皇の皇后、いわの姫)がいたけれど、その平城山の道で、私も涙が出てしまった。>

この女性の心情が歌でうまく表現できるかと思ったら、歌うのが怖くなってきた。