母の手紙

母が生前親しく、また母の以前の大正琴の先生であった方から、久しぶりに手紙をいただいた。そこに、母がその方に宛てて出した手紙が入っていた。母の手紙を見つけたので私にと送ってくださったのだが、手紙を見た途端、泣けてしまった。この方の気持ちは本当にうれしいんだけど、こんなのって、つらいと思った。

ふと、ずっと以前、父が他界したあとで、父の昔の写真を見つけたからと母に送ってきた父の友人がいたけれど、その時、こんな写真今見たくないって母が言っていたのを、思い出した。その時に、気持ちは分かったつもりでいたけれど、今日の私は、まったくその時の母の気持ちになってしまって、泣けてきた。

もういない母の手で書いた文字を今は見たくなかった。しかも私の知らない手紙。すぐ読む気になれなかったが、夜になって勇気を出して読んだ。亡くなる4ヶ月前の手紙。ていねいに書いてあって、母が友人に宛てた手紙をこんな形で読んで、なんか違った母の姿に触れた気がしたし、私の知らない母が見えて、一層喪失感。。。一層悲しくなってしまった。