ピクニック


先日、本当に久々に、シェナンドーの山にピクニックに行った。山の天気は変わりやすく、途中で雨が降ってきたけれど、十分、いや、最高に、リラックスできて、楽しかった。

座って食べていたら、1頭の野生の鹿がのんびりと近くの草を夢中で食べながら移動していた。途中、この鹿、私の気配に気づき、こちらをじっと見ていたが、全然、逃げる様子もなかった。食べ物に寄ってくる様子もなく、ひたすら木の葉を食べているところを見ると、奈良の鹿のように人に慣れているわけではないわけだけど、我々を見ても、全然逃げる様子がないのも、不思議な気がした。それがとても自然な感じがしてよかった。

ところで、そこのピクニックのスポットでは、いろいろなグループがピクニックをしていた。その内に、雨が本格的に降り出したので、みんな帰り支度になったが、そこで見かけた東アジア系のグループを、それから山を降りて、下界のお手洗いで、再び見かけたので、話しかけた。というのは、彼らの言語が中国語でも韓国語でもなかったので、何語なんだろうと好奇心がわいてきていたのだ。

なんと、モンゴル人の人たちだった。とてもフレンドリーで、私が日本人だと言ったら、とても興味を示してくれた。モンゴル語を初めて生で聞いた。初め一瞬韓国語に似てるかなと思ったけど、ずっとずっと柔らかい発音だと思ったから、何なのか知りたかったのだけど、モンゴル語だとは思わなかった。また食べ物の話をしたら、遊牧のことを話し始めたので、ああ、そうなんだ、モンゴルでは遊牧民が多いんだったと思い出した。アメリカで遊牧しているわけではないだろうに、そういう話が自然に出たので、楽しかった。このグループは、北バージニアに住むモンゴルのコミュニティーの人たちだということ。みんな優しくて、気さくな感じのいい人たちだった。私にとっても思わぬ異文化に出会えて、楽しかった。


ところで、今夜は、オレンジカウンティ高校のコンサートで、伴奏の仕事だった。例によって、Rのオーケストラの演奏の伴奏をした。夕方、PVCCで用があり、そこから直接向かったのだが、うっかり道を間違えてしまい、迷ってしまって大変なことになった。Rに電話をかけて道を聞いたりして、大騒ぎして学校に頑張って走ったが、5分遅れてしまったのだ。走って会場に入り、客席を通り抜けて、走って舞台に上がるという業をしてしまった。

あとは、無事弾けたけど、6時ジャストに始まったので、結局、初めの曲をすっぽかしてしまうことになり、本当に申し訳なかった。たまたま初めの曲は大曲ではなかったので、伴奏なしでもよかったようで、ほっとしたが、最悪の気分だった。

それなのに、Rは優しくて、本当に有難かった。道に迷って電話した時も、落ち着いてゆったりと優しく話してくれたし、私が会場から舞台に上がって、ピアノに座った時にも、彼は、微笑んで、Perfect timing!と言って、明るくゆったり受け止めてくれた。終わった後も、ごめんなさいモードの私に、とっさにはっきり道順を教えられなくてごめん、きっと心配して、さぞナーバスになってたでしょう、帰りの運転気をつけてね、と優しく対応してくれた。いつも気楽な彼だけど、こういう時も、まったくピリピリしなくて、私は、最悪な気分の中、多少なりとも慰められて有難かった。