ピアノの生徒の発表会は

無事終わった。例年のことながら、この日は緊張で、食べ物が喉に通らない。朝からろくに食べてなかったのに、終わってもまだ食欲がなかったが、それでも遅い昼ごはんを食べたら、少し元気が出た。

生徒たちは無事に弾いてくれた。せっかく一生懸命練習していて上手に弾けていても、本番でうまく行かないと、やっぱり気持ちがなえてしまうから、なんとかみんなが、少なくとも納得の行く演奏ができるようにと祈りながら、一人一人の演奏を聴いているので、最後の方は、緊張で、手に汗握りすっかり疲れてしまう。その上、引き続き自分の演奏となると、もう神経の使うところがまったく違うので、その気持ちの速変わりが要。かと言って、そこで、休憩を取ると、観客が気が緩んで、まとまらなくなるので、できるだけそういう時間を避けて一気に集中する。

だから、すべて自分の演奏も弾き終わったときには、くたくたで、もちろんほっとするけど、脱力感で気が抜ける。毎年こんな感じで発表会が終わり、今年も、同じようだった。今回出なかった生徒たちや、Aや大人の生徒さんも来てくれて、楽しんでくれたのは、うれしかった。そこの会場の人や、聴きに来てくれた住人(その会場は退職者ホームのホールであるため、そこの住人が聴きに来てくれる)が、大変喜んでくれてまた必ず来てくださいと念を押された。

去年は、あらかじめ終了後に出す予定だったリフレッシュメントのクッキーなどを、演奏中に食べられてしまい、最後に、リフレッシュメントをどうぞ、とアナウンスしたときには、クッキーがほとんど残っていないという信じられない事態になっていて、本当にがっくり来たので、今年は、事前に準備したあと、クロスで覆ったり、テーブルの場所を後ろの隅に置いたりして、気をつけたおかげで、みんなのマナーも完璧だったし、落ち着いた発表会ができたと思う。

それにしても、これは日本ではそのようなことは殆ど起こらないと思えるエピソードだと思う。去年、演奏前や演奏中にクッキーを食べ始めたのは、生徒である子供たちではなく、生徒の親である大人だったので、この悪いお手本のため、当然子供たちは食べてもいいと思うはず。こちらの他の大人たちみんなが、同じに考えるかどうか分からないけど、私としてはこれはマナーだと思うのだが、気にしない人は日本に比べて圧倒的に多いと思う。しかも、私は一番前に座っていて、生徒の演奏を見ているので、後ろでみんながクッキーを食べまくっていたなんて、まったく気づかなかったのだ。

とにかく、今年の人たちのマナーはバツグンだった。



夕方出かけた帰り道、きれいな夕日を見た。