ゲーテの詩

今夜の歌のリハーサルは予想以上にうまく行き、ちょっと自信がでてきた。実は、自分で練習していて、声が思うように出ないと、自主的に風邪でも引いて本番を休んでしまおうかなと頭をよぎることもあったので、このピアノ合わせがうまく行ったことは、私にとって大きかった。

ドイツ語で歌うのは久しぶりだから、歌詞に気をとられると、発声がうまくいかないし、発声に集中すると、歌詞をまちがえてしまう。ゲーテの詩は、きれいだし、途中端折りたくない。端折ったら、ストーリーが無くなってしまうし、ゲーテに申し訳ない。というか、私はゲーテの詩がこの上もなく好きなので、端折りたくないのだ。

今日は、一日中雨が降り、喉にはいいけれど、気圧のせいか、身体もだるく、気分が重かった。これから一雨ごとに、寒くなっていく秋の夜長は、やっぱりちょっと感傷的になるなと思う。

ゲーテの詩も身にしみて、このところ、歌の練習というと、詩の朗読ばかりしていたからか、昨晩は詩の中の映像が夢に出てきてしまった。

ゲーテの詩には、日本の自然崇拝に多少通じるものがあると思う。自然を絶対的なものと捉え、常に自然に従う態度、でも、日本の自然崇拝と違うところは、自然との一体という捉え方ではあるが、自然を語りながら、自分を語るという立場をとっている、つまり、自然を語ることで、自我のある人間である自分自身を表現しているのだと思う。そこが、私の感性に合って好きなところなのだ。