雪に閉ざされる

という言葉、今までそう使う必要なかった言葉だけれど、初めて正にこの言葉どおりを体験した。金曜日に降り始めた雪は、止まることなく降り続け、20インチ(一メートル)の高さになった。いつもの景色は良いも悪いも全くの別世界となり、おまけに、昨日は半日、停電。泣きっ面に蜂である。
家の中は寒く冷え込み、お湯もなく、水も使えず、当然のことながら、電気もパソコンも電話など電化製品すべて使えず、ただひたすら布団に包まって、降り続ける窓の外の雪を見つめるしかなかった。有難きかな、携帯だけは使えたが、充電ができないから、必要以上に使うわけにはいかなかったし、その前の日には、ピアノの練習でもなんて、思っていたけれど、停電では暗くてそれもできず、気が落ち込んだ。

だから、午後になり、電気が戻った時には、一人で、ワーと歓声。ほっとしたのだけど、今度は、外の雪、雪、雪。一歩足を出したら、ずぼっといきなり足を取られ、ひっくり返って、起き上がるのに10秒、まるで雪の中をおぼれそうになるのをもがいて泳いでいるよう。深さが足の股の上までなので、一歩歩くのに3秒、起き上がり10秒では、雪かきどころではない。シャベルをただ雪の上を引きずっている始末だった。でも、昨日のまだやわらかい雪のうちに何とかしておかないと、凍ったら、普通のシャベルでは刃がたたなくなるからと困っていたところ。。。

こんなことを、たまたま用事で電話がかかってきた学生に話したら、じゃあ、今からシャベルに行ってあげると言ってくれて、歩いて30分くらいのところをさっそくやってきて、暗くなる中、二時間くらいかけて、家のポーチから道路までの距離に歩ける小道を作ってくれて、坂のドライブウエーに止めてある車のまわりの雪もかいてくれた。本当になんと有難い事。手の指が寒さでしびれて何回か、手袋をはめ直しながらも、文句一つ言わずに、運動になるし、楽しいです、なんて言って元気よくやってくれて、私は早朝からの停電でかなり落ち込んでいたから、いろんな意味で有難かった。困ったときに助けてくれる学生がいて本当にうれしいとつくづく思った。

さて、雪は今日は止んで晴れていたものの、なかなかとける様子はなく、除雪車もこの辺まではまだ来てくれず、結局、家の車の周りの雪はかいてあっても、車より高い道路の雪を見るにつけ、今日も明日も出かける予定をすべてキャンセルした。いつになったら、とけるのだろうと憂いながら。