お茶飲む感動

春に京都から帰った以前の学生が、訪ねてくれた。彼は、来月ニューヨークに引っ越すし、私ももうすぐ日本に行くので、ちょうどいいタイミングだった。
前にも書いたけど、彼は京都で、裏千家奨学金で勉強してきて、4月の終わりに、うちのクラスでも茶道のデモンストレーションをしてくれた。
今日は、日本で買った玉露を持ってきて、お茶を入れてくれた。素晴らしかった。こんな風にお茶を飲んだのは初めて。夏に玉露は素晴らしい。彼は自分自身で研究もしていて、彼の言うとおり、三回目のお茶が最高だった。でも、一回目も二回目も四回目も、それぞれ違う美味しさがあったし、その後、水で出したら、それはそれで、素晴らしいものだった。お茶を出すのに、こんなに時間をかけてゆっくり入れるのは、信じられない。温度やタイミングなど。すごく贅沢なお茶のいただき方で、確かにお菓子はいらないのもよく分かった。彼によると、美味しいお茶は実はお菓子はいらない、お茶だけで本当に味わえるから、お菓子の甘さは邪魔になるんだそうだ。
彼が出してくれた玉露の入れ方を、忘れないようにメモしながら、眺めていたけれど、本当に勉強になった。私も、心を落ち着けてゆっくりお茶を入れて味わい楽しみたいと思う。そんなゆとりをもつ生活をもてるようにしたいなと思う。
抹茶も奥が深いと思っていたけれど、玉露も煎茶も同じように、ひょっとしたらそれ以上なのかもしれないものを感じて面白かった。中国茶はいいものだったら20杯も同じ質のお茶が飲めるけど、日本茶ではわずか3〜4杯しか飲めないというデリケートさは、いかにも、日本という感じもした。
茶の味わい方もちょっと凝ってしまいそう。一回目は決して苦くなく、二回目は渋みが強くなっても苦くなく、三回目は忽ち渋みが消えて甘くなる。思わず、感動の声。上品な香りは、飲んだ後も、湯飲み茶碗にも残っていて、脳にしみ込んでクリアになる感。。。贅沢な気分。素晴らしいの一言だった。