アジア人

先日の疲れとストレスで、身体が硬くなっていると思ったので、今日は午後、心を静かにしてヨガと気功と瞑想にゆっくり時間をとった。身体が温まり、気が流れるのを感じながら、何か身体に凝って固まっていたものがとけるような感をおぼえ、リラックスできた。

このお陰なのか、夕方来た新しいピアノの生徒の親子との3時間のインタビューの疲れる会話にもなんとか耐えられた。これは本当に(こんな風に言っていいか分からないが)強豪だった。わざわざ海外から教育のために子供を全寮制の高校に入れ、そのお母さんはビザのギリギリ滞在の長さで、旦那さんを自国において子供の手伝いに来ている必死の教育ママ。
とにかくその高校生にピアノコンクールで賞を取らせるために毎日でもレッスンに連れて来るの勢いがあるかと思えば、週に何回も来るのだから、月謝を少しディスカウントしてくれと交渉しようとしたり、また、アメリカ人の先生は優しすぎるから、同じアジア人同士、本当の練習方法が分かる日本人の私を選んだんだから、厳しくレッスンして欲しい、とか、などなど。。。
確かに自分でラフマニノフの難曲やショパンのバラードを二日で符読みしてしまう力をもった子ではあるんだけど、いろいろ弾き方に問題ありと思ったので、私自身、引き受けるかどうかも実は今迷っている。
クリスマスの休みはゆっくりしたいので、レッスンをしないと言ったら、そんな、同じアジア人なのに、私がアメリカに長くなってアメリカナイズしてしまっているんじゃないか、わずか一日一時間のレッスンなんだし、自分の国では休みも祝日も無く働くのよ、日本でもそうなんでしょう?と言う。
日本でも、確かに受験生はお正月特訓というのがあるんだっけ。でも、私は日本にいても親として全く正反対の考えの持ち主だったし。。。
とにかく、このお母さんはブロークンの英語ながらもよくしゃべるし、分からない事など、自分の子供に通訳してもらってがんがんしゃべりまくり、はっきり言って、午後私がエネルギーを十分蓄えてなかったら、私はもう倒れていたかもしれない。なんとか頑張って、一回だけチャンスをあげることにして、じゃあ、まず一回だけレッスンさせてくれ、それで、私が引き受けるかどうか決めさせてもらうということにした。
この生徒は勉強もよくできるらしく、たった二年間アメリカにいただけなのに、英語もかなりうまいし、どうやら、ハーバートやエール大などのアイビーリーグを狙っているらしい。勉強は完璧なのに、生徒活動の評価が少し弱くなりそうだから、得意なピアノで賞をもらえば、内申書に書けるけど、賞がもらえなければ、意味がないんだと言った。私が毎年、ある音楽コンクールで審査員をやっているという情報をどこかで聞きつけて、どうしても私のところに来ようとしているようだという事も分かった。
このお母さんは始終言いたいことをしゃべりまくっているので、心の中で、日本人でこれほどの人は滅多にないよと思っていたら、最後に、私興奮してどうかなりそうでいい過ぎたかもしれない、そうだったらごめんなさい、でも、同じアジア人なんだし分かって頂戴ねって、抱きついてきたりして、もうこちらも目が白黒してしまいそうだった。同じアジア人だなんて、とても。。。異議ありだわ。