今日の老人ホームでの演奏

は、声楽家の伴奏だった。これは、いつものバイオリンのRではなく、声楽家の友人夫婦から頼まれたのだが、私にとって、とても楽で楽しい仕事だった。
このコンサートは、主催者の係りの人が、この声楽家の親しい友人だから、その関係でのコンサートだったので、伴奏の私にとっては、係りの人とは全く初対面だったのだが、演奏後、彼女のところに案内されて話をしていたら、なんと、以前私がよく知っていた声楽家であり作曲家の奥さんだったのだ。
その声楽家は、二年前に病気で亡くなったのだが、その時、奥さんのことは知らなかったので、本当に驚いて、人の縁って不思議なものだとつくづく思った。特に、今日は、演奏後、私はすぐに帰りたかったのに、友人が一緒に行きましょうって頼むので、自分の気持ちとしてはかなり義理のお付き合い気分で行ったので、その人がそんなに縁があった人だったなんて予想などしなかった。
でも、とても感じのいい人だったし、話が楽しいし、私のことをすぐに気に入ってくれているようだったので、悪い気持ちはなかったんだけど、こういう縁だと思うと、もっと親しみを感じた。彼女も同じように思ったようで、(例えば、私は「縁」という言葉を使っているけど、こういう日本語の語感を持った完璧な翻訳はないと思うのに、感じるものは同じのようで、)彼女はこういうこと(縁)信じるのよと、過去にそんなことがあったことを話してくれた。だから、こういう縁でこのように私たちが出会ったことはとても自然で、あるべくしてあることなのだと信じていると言ってくれた。私と同じように感じてくれてるんだなあと共感できて嬉しかった。この縁で、また再会できる予感がした。
彼女は、二年前に亡くなった旦那さんの作曲した数々の曲のちゃんとした演奏会をいつか是非開きたいのよと、私に一生懸命話してくれた。