天使の飾り

ずっと車のミラーにかけていたクリスタルでできた天使の飾りがなくなっていることに気づいた。この間、ちょっと修理を頼んだ時、確かにかかっていた。というのも、本当に気に入っていたので、なんとなく、私のお守りになっていると感じていたから、意図的にかけておいたのだった。
きれいなグリーンの羽のついている天使は本当にきれいだったし、私は、見る度になんか嬉しい気分になっていたのだ。だから、それがかかってないとわかった時のショック。すぐに、店に電話したけれど、いい返事の訳ない。誰かが取らない限り、なくなるはずはないから。絶対この店なのだ。
それが分かっていても、気楽にものをとってしまう感覚は本当にわからないけど、この国にきてから、よくそんなことに出くわす。
きれいだから欲しい、ラッキーってな感じで、気楽な気分でとってしまったのかもしれない。もっと高価な大きなものは盗まれてないから、絶対そんな気がする。でも、でも、こういうことって、絶対、日本ではないなと思う。もし誰かがとったら、その人は取ったと自覚しているし、そんな家族経営の小さな店で取ったら信用問題だし、絶対疑われるのだから。
それなのに、ここでは、そんな見え透いているのに、取って、しかも、もう片付けたけど、もし、あれば連絡するだなんて、平気で言ってくるのだから。それがわかっていても、私もわざわざ聞いて、大事だからしっかり探して欲しいと頼んだりして。これが、少しでも、注意の喚起になればいいと思って。