コンサート後。。

ナーシングホームの演奏もうまく行った。来週にも、また演奏があるけど、ナーシングホームは一番楽で気楽に出来る。

さて、昨日の演奏会で、オレンジ高校での今学期の仕事は終了。それにしても、Tの指導力とパーソナリティーには本当に感心させられる。気配りも半端じゃない。昨日の演奏が終わって一時間も経たないうちに、テキストメッセージで、今日は本当にありがとう。本当にきれいに弾いてくれて素晴らしかったと送ってきた。あれだけ大きな演奏会を一人で、指導して管理していながら、それでいて私は会場でもお礼の言葉も花などとともにいっぱいもらって来たのに、私がうちに着く頃に、再び優しいメッセージを贈ってくれるのだ。そして、もちろん、彼は音楽性がとても豊かだし、その音楽性のレベルを上げながら、本当に上手に高校生たちを指導している。
そのおかげなのか、生徒たちは本当にいい子達ばかり。なんだか、皆大きな家族のような雰囲気がある。彼は3つの合唱クラスを指導していたが、その中の二つの合唱の伴奏を私が担当していた。その一つの「コンサートクワイア」という混声合唱のメンバーは、オーディションに受かった生徒たちだけだから、もともと上手な子が集まっているグループなのだが、そこに一人だけ、特殊学級の生徒がいて、その子は音程も取れるし、声もいいけど、絶えず、ヘッドフォンを耳につけてないと、不安になるようなので、練習のとき、いつもつけていなければいけなかった。何かを聞いているわけではない。つまり、ヘッドフォンではあるが、その役を果たしているわけではないわけだ。
でも、さすがに、舞台の上ではちょっとどうかなと私自身気になっていたのだが、やっぱり、Tも気になってか、その子についているアシスタントに、舞台の上では取ってもらってもいいか確認のうえ、練習が終わったら返すからここにおいておくねとピアノの上に置き、その子にヘッドフォンをはずしてもらった。
初め不安そうだったから、ちょっと心配したけれど問題なく終わった。しかし、時々、声を大きく張り上げたりするので、音楽性の高いレベルを要求するTにとって、挑戦だと思うのだけど、ぴりぴりすることもなく普段のように、「フレーズが終わるときに指揮で切ったら、一人だけ、声を長く伸ばしてはいけないよ」と言って、二三回やり直しただけだったが、時々、ピアニシモなのに声が大きすぎて、彼の声だけ聞こえてしまったりする毎に、他の周りの生徒たちが、言葉で注意するのではなく、彼の肩に触れながら一緒に歌って音量を調整して気にかけて歌ってあげる、といったような光景が見えた。ほかの男の子も女の子もみんな歌のレベルが高い子達ばかりなのに、本当に優しい。
そんな様子を見ながら、日頃から伴奏していたわけだが、その子は、今年卒業のようで、最後に名前を呼ばれて、賞を渡されたときの皆の歓声は普通じゃなかった。本当に皆に支えられて可愛がられていたことがよくわかり、私も本当に感動した。本当にいいグループだと思う。
また、先生がいなくて部屋で待っているときでも、自発的にアカペラの曲などを皆で歌って楽しんでいるのにも、その雰囲気は素晴らしいなと思った。皆本当に合唱が好きなんだなって、私も嬉しくなった。好きだから、あんなに上手になれるのだ。
若い人たちのこの雰囲気、素晴らしくて、なんでも可能にさせる原動力とエネルギーを感じ、やっぱり若いっていいなって思った。そして、そういう若い人たちの様子や成長を見られる仕事に関われる有難さを実感した。