物思い

気候のせいなのか、ちょっぴりセンチメンタルになる風に吹かれると、自然に、歌が歌いたくなったり、踊ってみたくなったり、外の景色がきれい過ぎて、思わず一人でにこにこしながら外を歩いたりして。。。でも、それと同時に、いろいろ物思いにふけったりしている。
その一つ、ダンス。私にとってダンスってなんなのかって、この頃、考える。実は、相当長い間、同じようなことを考えていたのだけれど、どうもやっぱり、他のスタジオの人たちとズレを感じてしまうのだ。ほとんどの人たちは、楽しいからやってる。私も楽しいことに違いないのだけれど、それだけでは、満足できない、何かが違う。私の求めているのは、一体なんなんだろう。この年齢で、今からプロダンサーというわけでは決してないのだけれど、やり出すと、なんとか極めたい、その思いが強いから、他の人たちとの捉え方に違和感 を感じてしまうのかもしれない。
そんなことを思っている折、Tとのレッスン。やっぱり素晴らしかった。彼は、本当に細かいところまで、丁寧に指導してくれて、最高のレッスンだった。その後で、レッスン時間が終わった時、彼は、面と向かって、真剣な顔で、私に、このスタジオのベストダンサーだと言ってくれた。びっくりした。
彼は、日頃辛口なので、そういう風に真剣に言うタイプじゃないから、本当に嬉しかった。彼は、それを言ったあと、再びその言葉を続けて、真剣だよ、丁寧に練習したら、絶対素晴らしくなるよ、と励ましてくれた。
普段、私は、あまり人のそういう言葉を信じないけど、この時、彼の言葉に真実を感じられたのは、その直前のレッスンの質が普段と全然違っていたからだった。こんなに期待されるとちょっと気持ちがしんどいのだけれど、これこそ、私が受けたいタイプの質のレッスンだったから、これなんだと思っていたところだったのだ。
でも、そういう質の高いダンスを練習するのは、至難の技。一緒に練習するレベルの男性ダンサーがなかなかいないからなのだ。私は、ステップを覚えるのはあっという間で、大概、一回で覚えてしまうから、そのあとの練習がしたいのに、ほとんどの人たちは、ステップを覚えるのに、時間がかかっているから、それを正しく丁寧に練習する余裕がないので、結局、私は、練習相手がいなくなるわけなのだ。
そんなことを思っていると、どうしたらいいかと悩んでしまう。この街では、他に練習する場がないので、ここでやるしかないけど、まずは、一人でできるいろいろなテクニックを完璧にマスターすることに専念しようと思う。